JAN-SOUL 麻雀の強打はなぜだめなのか

麻雀の強打はなぜだめなのか

麻雀における強打とは

牌を卓に捨てる(置くとき)際に、必要以上に強く叩きつける行為を指します。

特徴としては、

  • 通常であれば軽く音がする程度で十分ですが、強打は「パンッ」と大きな音が出る
  • 捨牌の位置がズレてしまうほど力が入ることもある
  • 無意識のクセの場合もあれば、わざとやっている場合もある

問題点

他家に「強い意志」を感じさせてしまい、例えば「自信のある牌」「聴牌」などの情報を与えてしまいます。

また、雀荘には真剣に打っている人や静かに打ちたい人など、様々な人が同じ場所にいます。その中で大きな音を出すと、空間で際立って目立ち、威圧感や人を驚かせる音となります。


強打の例

  • 安全牌や投げやりの牌を強打
  • ツモ切りやロン牌を強打
  • 押しづらい牌を強打
  • 身内ノリで強打

よく言われる強打がダメな理由

1. 牌や卓に傷がつく・壊れる

最近巷では「そんなことはない」「買い換えればいい」といった意見もあります。 しかし、雀荘を経営している人、長年麻雀をしている人から言われるのが非常に不思議です

牌について

強打で牌が真っ二つに割れる、欠けるといったことは確かにそうそうありません。麻雀牌は樹脂で作られており、そんなに簡単には割れません。

しかし、麻雀牌に使われる「ユリア樹脂」の特徴を調べるとこうなっています。

ユリア樹脂の特徴
  • 熱硬化性樹脂:加熱すると硬化し、再び溶けたり柔らかくならない
  • 硬くて脆い:硬度は高いが、耐衝撃性や靭性は低い
  • 白色・透明性が高く、着色性にも優れる
  • 電気絶縁性が良好

長所:

  • 低コストで経済的
  • 高硬度・耐摩耗性
  • 成形加工性が良く、ツヤや着色がしやすい

短所:

  • 耐水性・耐候性が低く、衝撃には弱い

つまり表面は硬くても、衝撃には弱く、強打には耐えにくいのです。


ジャンソウルでの実際

ジャンソウルでは18周年を迎えようとしていますが、ずっと使われている牌もあります。しかし全てがそうとは限らず、背面にヒビが入ったものや少し削れたものも出てきます。

ここで問いかけます。
削れた牌や欠けた牌、さあ、あなたならこれらの牌をどうしますか?(売る選択肢を除く)

選択肢は2つです。

  • 放置してそのまま使う
  • 入れ替える
入れ替えの方法

入れ替える場合、さらに2つの選択肢があります。

  • 該当の牌だけを交換
  • 全部の牌を入れ替える

しかし、牌を入れ替えるのは簡単ではありません。牌の色や光沢は経年で変化しており、新しい牌だけが鮮やかすぎると「ガン牌(目印)」のように見えてしまうからです。だからこそ1牌を入れ替えるのではなく、全部の牌を入れ替える必要性がでてくることも多いのです。

麻雀牌の費用
  • 1枚:300円〜1,000円程度
  • 1面(1セット):約18,000円
  • 卓には青色とオレンジ色の2面が必要 → 合計36,000円

多くの中小雀荘では、毎回すべて入れ替えるのは現実的ではありません。


借り物だからこそ大切に

「別に壊れないからいいやん」「そんなんで壊れたりしないのに大げさ」 別に考えるのは自由ですが、まず第一前提は借り物であるということです。

ボーリングで例えると、ボールが痛むのはもちろんですが、レーンに傷がついたり穴が空いたりする恐れがあるため、禁止されている投げ方がありますよね。

つまり、ここで言いたいのは「壊れないし大げさ」という話ではなく、そういうおそれがあるからやめてほしいということです。

もちろん、個人でやっているもので、その経営者や持ち主が自由に使っていいと言うのであれば別に構いません。 しかし、お店のものをそんなド派手に、適当に扱っていいわけはないというのはわかりますよね。

カラオケでマイクを投げたり、借りたタンバリンを投げたりしますか? 普通はしませんよね。

麻雀牌も同じです。確かに丈夫で、そんなに大げさに割れるわけではありません。 でもこれまで、だめになった牌をいくつも見てきました。 経年劣化かもしれませんが、だめになった牌の中には割れ方が非常に激しいものもありました。 人為的に割れている牌も必ずあり、それを少なくする努力をしているだけなのです。


まとめ

  • 麻雀牌は丈夫ですが、ヒビが入ったり欠けたりした牌もある
  • 強打は人・空間・モノすべてに悪影響を及ぼす
  • 借り物である雀荘の牌や卓を大切に扱うことが必要
  • 強打したい場合は、自分の道具を用意して自宅で楽しむべき

私見

 別に強打してしまうこともあるし、役満上がった時は力が入るし、リーグ戦とか大会でいい和了をするときにも自然とそうなってしまうこともある。そういうのは注意されても「あ、やっちゃったな」くらいに思えばいいし、大会などによってはあまりに酷い場合じゃないと注意されないこともある。

 なんなら、役満のときはみんなでよろこんでくれる雀荘もあるし、そのときは見逃されることもある。そういう塩梅でいいじゃないって思うところもあれば、そうしていると収まりがつかなくなるから一律禁止にしているところもある。結局人がやることなんだから、人、場所、時そういったことによって変わってくるのは当たり前なんじゃないかな。

 ただ、貸卓やフリーなどでずっとバチコンバチコンいっていると正直、耳障りがよくない。電車で静かな中、大声を出す人がいたり、ざわざわしていても金切り声あげていたりするとか、周囲と交わらない音がでていると不快じゃないかな。

 実際は文化にもよる。日本だと電車で大声で話したり、人によっては話すこともマナー違反なんて言う人もいるし、電話はもちろん昨今問題になっている電車での外国人によるパフォーマンスなどもマナー違反という認識だと思う。

 海外では、それらすべてOKだったりする。フランスに住んでいた著者は逆にそれがフランスの文化に馴染んでいて心地よかった。

 麻雀の発祥は中国だけど、現在の日本の雀荘文化は日本独自の発展が遂げられている。そこにはいい面、悪い面はあるけれども強打というのは電車やボーリングなどの例に挙げた通り受け入れられない人は多く、威圧的に感じたり、モノを大切にする文化の日本とは単に合わないだけかもしれない。

 一方で、私自身、モノを大切にしてきたかといわれればそうではない。強打くらいええやろという意見もわからなくもないのだ。

 ただ、雀荘の多くはそれを禁止にしているし、無駄な争いを少なくするほうが賢い気がする。

 まあ、ホンマにセットや貸卓みたいなもので自宅で麻雀しているならきっと歌うし、強打もするしあんま雀荘でやるとよくないって言われていることをめちゃくちゃやると思う。だから偉そうなことは言えんかもしれんが、雀荘の経営っていうのは厳しいもので強打一つでお客さんが減ったなんてこともザラで、ある種、そうやって去っていった人はマナーやモラル、ルールを守っているのにそういう人が割を食うのはおかしいやろという話なんよね。

 いまは、お店でタバコを吸えなくなっているお店も多くなったというように、時代は変わってきたんで、窮屈かもしれんがそれに合わせていただけると幸いです。